コラム

牧会コラム週報版 067 2021.10.31

Author
mito
Date
2021-11-05 10:11
Views
1883
先週木曜日に執り行われた葬儀は、私がこちらにやってきて初めて、納棺から納骨までが一日のうちに執り行われたものでした。それだけによく考えると、きわめて目まぐるしく過ぎたものではありましたが、私はその現実に関わらず、心にせわしなさを感じてはいませんでした。それは、姉妹が平安のうちに主のみもとに召されたということ、姉妹のたましいはすでに天の御国にて平安のうちに移されていることを知っていたからでした。一連のあわただしさに関わらず、私の心はとても平安でした。

ご自宅で執り行われた葬儀は、折からの晴天で窓辺からさんさんと光が差し込む、とても明るいものでした。お香のむせるような、香りからして悲しくなるような雰囲気などまったくありません。涙もほとんどありません。このような中で私は、イエスさまを信じた姉妹がどんなに、ありがとうございます、ありがとうございます、と、感謝ばかり語られて主のみもとに旅立ってゆかれたか、参列されたみなさまに確信をもってお語りしました。聖霊なる神さまがみなさまの心を開かれ、主の十字架と復活の福音、天国の希望を受け入れ、主とともに歩むことを志す恵みが臨みますように、祈ってやみません。

私はこうして葬儀に立ち会わせていただくたび、しみじみ教えられることがあります。それは「主が待っておられる天の御国は、遠いようで実はとても近い」ということです。私は自分が葬儀を司式するたびに、韓国で按手礼のときにあつらえた黒いガウンに袖を通すのですが、この、めったに着ることのない服を身に着けるとき、天の御国にひとりのたましいをお見送りすることのおごそかさを覚えるとともに、その瞬間に天の御国が実に近くに感じられるものです。

いまはこうして葬儀もつつがなく取り行われ、ご遺骨も墓所にありますが、やがてこのご遺骨も、そして私たち一人ひとりも、栄光のからだによみがえらされる終わりの日が来ます。その日を思い、今日与えられている働きに忠実に種を蒔いてゆこうという思いを新たにさせられるものです。みなさま、日々主の恵みの中で励んでまいりましょう。
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