コラム
新コラム・ザ・ゴスペル 2021年3月
Author
mito
Date
2021-02-25 11:11
Views
3370
「『コロナ下(か)』という用語の提唱」
新型コロナウイルス流行を話題にするのは、いいかげんうんざりするようなことですが、まあおつきあいください。
マスコミが流行させ、一般にも用いられていることば、それは「コロナ禍(か)」ということばです。ときどきはこの「禍」という字を「渦」と書くケースも見ますが、たぶんそれは誤植のようなもので、実際は「禍」と言いたいのでしょう。
しかし、私はここで、「コロナ『禍』」ということばの使い方をすることに反対しようと思います。それは以下の2つの理由からです。
第一に、「禍」という漢字は「まが」とも読み、また、「しめすへん」であるように、宗教的、霊的な凶事というニュアンスがあり、「コロナ『禍』」と表記する人は、それが「霊的に」悪いものに由来するというニュアンスをこめて使っているように思えることです。「のろい」ですとか、「たたり」ですとか。百歩譲って、八百万(やおよろず)の神々という価値観が支配する日本の霊的風土にこの表記が似合っているとしても、少なくとも私たちクリスチャンは、この表記を使うべきではないと考えます。
第二に、新型コロナウイルス流行は、これまで当たり前のように守り行ってきた多くの行事・イベント・セレモニーが、実はそれほど重要ではない、それこそ「不要不急」のものでしかなかったことをあぶり出しました。たとえば、私が聞いた話ですが、ある地域では子どもたちのためにお祭りが開かれ、地域の子ども会が毎年協力するのが慣わしとなっていましたが、お母さんたちはそのためにパートを休んだりして多くの負担を強いられていました。しかも、肝心の子どもたちがあまり参加してくれないのです。しかし、新型コロナウイルス流行によってお祭りは取りやめになり、結果、子ども会はお祭りの準備や当日の奉仕に時間を取られることが一切なくなりました。お母さんたちはほっとしたにちがいありません。このように、新型コロナウイルス流行の及ぼした影響は悪いことばかりではなかったと言えそうです。
とは言いましても、私たちはいつ自分が感染するか、感染させるかということには、きちんと気を配り、マスクを着用したり三密に気をつけたりする必要があるのは相変わらずのことで、それゆえに私たちはなお、コロナウイルス流行の影響下にあることは否めません。それに、生活環境の劇的変化、経済的苦境など、コロナウイルス流行という前提で話すべきことは、今や相当数存在します。
そこで私が提案したいことは、宗教的意味、無条件の凶事という意味を前面に出した「コロナ『禍』」ではなく、私たちの社会が新型コロナウイルス流行の影響下に置かれているという事実、前提を単純素朴に表現する「コロナ『下』」という言い方です。インパクトは薄れますが、ことばの持つ毒々しさ、まがまがしさにつき合って疲れるくらいならば、表現は単純な方がいいと考えます。今後も私はこの言い方を用いていきたいと思います。
新型コロナウイルス流行を話題にするのは、いいかげんうんざりするようなことですが、まあおつきあいください。
マスコミが流行させ、一般にも用いられていることば、それは「コロナ禍(か)」ということばです。ときどきはこの「禍」という字を「渦」と書くケースも見ますが、たぶんそれは誤植のようなもので、実際は「禍」と言いたいのでしょう。
しかし、私はここで、「コロナ『禍』」ということばの使い方をすることに反対しようと思います。それは以下の2つの理由からです。
第一に、「禍」という漢字は「まが」とも読み、また、「しめすへん」であるように、宗教的、霊的な凶事というニュアンスがあり、「コロナ『禍』」と表記する人は、それが「霊的に」悪いものに由来するというニュアンスをこめて使っているように思えることです。「のろい」ですとか、「たたり」ですとか。百歩譲って、八百万(やおよろず)の神々という価値観が支配する日本の霊的風土にこの表記が似合っているとしても、少なくとも私たちクリスチャンは、この表記を使うべきではないと考えます。
第二に、新型コロナウイルス流行は、これまで当たり前のように守り行ってきた多くの行事・イベント・セレモニーが、実はそれほど重要ではない、それこそ「不要不急」のものでしかなかったことをあぶり出しました。たとえば、私が聞いた話ですが、ある地域では子どもたちのためにお祭りが開かれ、地域の子ども会が毎年協力するのが慣わしとなっていましたが、お母さんたちはそのためにパートを休んだりして多くの負担を強いられていました。しかも、肝心の子どもたちがあまり参加してくれないのです。しかし、新型コロナウイルス流行によってお祭りは取りやめになり、結果、子ども会はお祭りの準備や当日の奉仕に時間を取られることが一切なくなりました。お母さんたちはほっとしたにちがいありません。このように、新型コロナウイルス流行の及ぼした影響は悪いことばかりではなかったと言えそうです。
とは言いましても、私たちはいつ自分が感染するか、感染させるかということには、きちんと気を配り、マスクを着用したり三密に気をつけたりする必要があるのは相変わらずのことで、それゆえに私たちはなお、コロナウイルス流行の影響下にあることは否めません。それに、生活環境の劇的変化、経済的苦境など、コロナウイルス流行という前提で話すべきことは、今や相当数存在します。
そこで私が提案したいことは、宗教的意味、無条件の凶事という意味を前面に出した「コロナ『禍』」ではなく、私たちの社会が新型コロナウイルス流行の影響下に置かれているという事実、前提を単純素朴に表現する「コロナ『下』」という言い方です。インパクトは薄れますが、ことばの持つ毒々しさ、まがまがしさにつき合って疲れるくらいならば、表現は単純な方がいいと考えます。今後も私はこの言い方を用いていきたいと思います。
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