コラム

コラム・ザ・ゴスペル045 2020.11.8

Author
mito
Date
2020-11-08 12:13
Views
2248
私は最近、『水滸伝』、『洪吉童伝』、『真田十勇士』といった伝奇小説にはまっていますが、これらの小説は聖書の「歴史書」に通じるものがあり、特にこの三作品が連想させる聖書の箇所は、サムエル記第一22章の「アドラムの洞穴」のくだりです。

ダビデがサウル王のもとから落ち延びて本拠地としたこの洞穴には、ダビデの兄弟や父の家の者たち、困窮している者、負債のある者、不満のある者たちが集まってきたとあります。今やダビデを追うのに血眼になったサウルの魔の手はダビデの実家にも臨んでいたことや、サウルの暴政のゆえに苦しんでいた者たちが一定数いたことが垣間見えます。

このようにしてダビデのもとで彼の勢力が形成され、やがてダビデの軍隊へと発展していくさまは、梁山泊だったり、真田幸村のもとだったりといったところに、天下の豪傑、異能たちが集まってくるようで、読んでいてわくわくさせられます。あるいは、主に油注がれたダビデが自軍を率いるさまは、洪吉童のようなカリスマが、もともとが山賊のような非主流の者たちを導いて世直しをする痛快さを彷彿とします。

このような記述にわくわくするのは、まことの「大将」に率いられ、用いられる喜びを人が知るゆえでしょう。私たちにとってその「大将」はイエスさまです。しかし、「大将」によって用いられるのは、個人というよりも、教会という「群れ」です。したがって、私たちは個人が輝く以上に、教会全体がひとつのチームとなってイエス・キリストの栄光を輝かせることを求めてしかるべきです。

私たちもアドラムの洞穴に集まった、持たざる者たちのようかもしれません。ダビデが攻撃されたように、サタンの攻撃にさらされているかもしれません。しかし、イエスさまがともにおられる以上、私たちは安全ですし、安心していいのです。私たちは、このように私たちを弱い者から強い者へと変えてくださり、貧しい者から富んだ者としてくださるイエスさまの栄光を顕すべく、ともに戦うのです。出ていく戦線はみなそれぞれですが、私たちはともに集うとき、それぞれ遣わされた場でともに主の栄光を顕す戦いができるように祈ってまいりたいものです。
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