週報フォトエッセイ　2023.6.11

「城と深い濠」（水戸市・県庁三の丸庁舎前）

　これは、水戸の中心にある三の丸庁舎前に入る道から撮影したもので、水戸城のお濠を今に伝える遺構ですが、こうして草むしていると、果たしてどれくらい深いのかわからなくなります。たいして深くないように思えてしまいますが、木々に目を凝らしてその高さと比較してみると、どれほど深いかわかります。落ちたら大けがをしそうです。

　聖書は、地獄の存在をありありと描いていますが、その地獄はおそらく、私たちが考えているよりも、はるかに「深い」ところにあり、到底想像が及ばないはずです。もう、そこに落ちたら、絶対に助かりません。ただ、永遠に滅びるしかありません。

　天国は城になぞらえられます。水戸城に深いお濠があっておいそれと侵入することができないように、天の御国もだれもが入れる場所ではなく、御国にふさわしくない者はすべて、お濠が深いように底知れぬ地獄に落とされます。私たちはしかし、その深淵に落とされることなく、イエスさまの十字架を信じる信仰によって救っていただきました。

　そうして救われた私たちはしかし、もう落とされることはないからと、地獄のその深みを侮ってはなりません。その深みの恐ろしさを思い、いえ、その深みから救われた喜びを思い、私たちの救いを達成してまいりましょう。