週報フォトエッセイ　2023.5.21

「JR北上線・ゆだ錦秋湖駅」（岩手県西和賀町）

　北上線は、一日わずか8往復の閑散路線、典型的なローカル線です。しかし、その起終点は岩手県の北上と秋田県の横手、どちらも割と主要な都市で、そう考えるとかなり大事な路線といえます。

　北上線は昨年、おそらくはローカル線の宿命である経営的な厳しさゆえでしょう、複数の駅が廃止となりました。実は、このたびの保守バプテスト同盟の総会の会場「シオン錦秋湖」に徒歩で行ける最寄り駅の「ゆだ錦秋湖駅」の周辺も、郵便局や浴場の廃屋が目立つほどの、ほとんど何もない地域です。でも、だからといって駅を廃止されてしまっては、シオン錦秋湖に行くクリスチャンたちは困ります。

　シオン錦秋湖は「おかえりなさい」というあいさつで迎えてくれる、霊的なふるさとのような場所です。そこに行けるのは当たり前のことではなく、たとえば北上線の運行にかかわる鉄道関係の方々の努力がその陰にあることを、このたびの宿泊中の朝の散歩で駅を訪れてみて、あらためて思いました。礼拝や集いの場所に信仰者たちを送り届ける、世界中のあらゆる交通機関にかかわる方々の祝福をお祈りするゆえんです。