コラム

牧会コラム週報版 116 2022.12.11

Author
mito
Date
2022-12-24 10:39
Views
933

よく、日本人は宗教に対して寛容、悪く言うと節操がないと言われます。特に、年末年始の、クリスマスと思ったら除夜の鐘、初詣、と、目まぐるしく変わる様子に、そのように言いたくなるのでしょう。しかし、私に言わせれば、一般的な日本人は宗教に対して節操がないのではありません。むしろ、日本的な流儀で、除夜の鐘が象徴する仏教に対しても、初詣が象徴する神道に対しても、宗教的な態度を取っています。ただし、クリスマスに対しては、多くの日本人は、まず宗教的ではありません。

たしかに、クリスマスは盛り上がるシーズンです。しかし、街を飾るデコレーションを見たり、街を流れるクリスマスソングを聴いてみたりするとわかりますが、ちっとも宗教的ではありません。「いや、流れている曲には讃美歌もあるじゃないか」とおっしゃる向きもあると思いますが、その「讃美歌」は多くの場合インストゥルメンタルで、英語の歌詞がついていればまだましな方、「日本語」で歌われているケースを、私は寡聞にして知りません。一般的な日本人にとってクリスマスは、しょせん欧米的なロマンのレベルでしかなく、こう言うのはとても残念なことですが、人々の心はクリスマスのまことの主人公、イエスさまに心が向かいません。いや、日本人ばかりではなく、このところ多くの国で「メリー・クリスマス」とあいさつするのをやめて、「ハッピー・ホリデー」と言い換えるようにさえなっているというではありませんか。クリスマスに宗教的ではないのは、もはや日本人にとどまらなくなってしまったようです。

しかし、ここはあえて、たとえ世俗的でもクリスマスが文化に浸透している、その肯定的な面に注目して、私たちは嘆かないで、このクリスマスのほんとうの意味を世に示すひとときとしたいと思います。逆に考えれば、日本人が「キリスト教的文化」に最も注目するシーズンは、クリスマスをおいてほかにありません(最近は「イースター」も商戦などでクローズアップされていますが、クリスマスには遠く及びません)。ある牧師先生が、俗っぽい言い方ではありますが、「クリスマスはたましいの書き入れ時」と表現されていたのをむかし読んで、なるほどなあ、と思ったものでした。どうか、このまちの方々が、せっかくのクリスマスだからと私たち教会の開催するコンサートに足を運び、クリスマスのまことの主人公でいらっしゃるイエスさまに出会われますように、祈ってやみません。

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