コラム

牧会コラム週報版 146 2023.7.23

Author
mito
Date
2023-11-14 17:17
Views
997
「弟子訓練 その4」

 弟子訓練は、「ひとりの人に集中する」牧会です。けっして、数的、量的成長を目指すことを目的とするものではありません。遅々とした成長は弟子訓練の教会の持つ宿命とさえ言え、弟子訓練によって教会が爆発的な成長を遂げるということは、普通ならばあるはずのないことです(例外は本家本元のようなサラン教会でしたが、これが例外だと気づかず、弟子訓練をすればサラン教会のように教会を巨大化できると勘違いした一部の牧会者によって、のちに日本のキリスト教会に悲劇がもたらされました)。

 弟子訓練はひとりのたましいに集中する分、一見するととても非生産的に見えます。しかし、弟子訓練に取り組む牧会者はすべからく、そのひとりのたましいを、将来大いなる主のご栄光を顕す器と見込んで牧会させていただくべきです。サラン教会創立者の玉漢欽(オク・ハンフム)牧師のことばを借りれば、「眠れる巨人を目覚めさせる」こと、それが弟子訓練です。信徒たちを無力、無知、無能と見下すような牧会者には、弟子訓練はできませんし(まねごとならできるかもしれませんが)、また、するだけ馬鹿らしいと思うはずです。

 私は神学生の立場でサラン教会に在籍していた1999年、弟子コースの訓練生の一員として、同じコースで訓練に臨んだ、会社役員や管理職、自営業者、歯科医師、政府官僚のようなエグゼクティブが積極的に弟子訓練の厳しい課題に飛び込み、どんどん変えられていく様子を目の当たりにしました。それをじっくり見、また体験した身として、信徒がキリストの似姿に変えられ、互いに教え、祈り合う共同体をつくることをしない教会形成など、どんな意味があるのだろうと、ずっと考えながら今日までまいりました。主の弟子として訓練されることは厳しい道ですが、そこには、この世の何ものにも奪うことのできない大きな喜びもまた伴います。みなさまにおかれましてもどうか、キリストの弟子として日々御霊なる主に訓練される生活をともに体験してゆかれますようにと、お祈りせずにはいられません。
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