牧会コラム226「とりなし手になる」

連載が始まったばかりの「教会の再活性化」シリーズをさっそくお休みしてしまい恐縮ですが、水戸の中心街で起きた「通り魔」事件、それから間も空けずに、やれ津波だ台風だといった悪いニュースが報道されていた、そんな一週間が明けて、無事に迎えた今日の礼拝であることをまず、ともに考えたいと思います。

　世界には、宗教的・思想的迫害、また戦争や激しい天変地異などを理由に、集まって礼拝をささげることもままならない群れがたくさん存在します。現に日本にしても、ごく最近まで存在したコロナ下の緊急事態宣言のもとにおいては、礼拝をささげるために集まることをやめる判断をした群れは、枚挙にいとまがなかったわけです。さいわい、私たちの教会は、牧師家に感染者を出した週を除き、毎週欠かさず集いつづけることができたわけですが、これは私たち教会の決然とした判断によるものであるのはもちろんである一方で、そのような世相にあって、神さまがこの群れに特別なみこころを持っておられたゆえであることを忘れてはなりません。

　先週のような、立てつづけに危機的なニュースが報道される事態のもとにおいて、私たちが神さまから下されている使命は何でしょうか？　それは何よりも、「この世界を覚えてとりなして祈る」ことではないでしょうか？　イエスさまは私たちクリスチャン、言い換えれば主の弟子たちに対し、「あなたがたは地の塩です、世の光です」とおっしゃいました。世の光として輝くべきともしびを升の下に入れたら、光がさえぎられて闇が照らされなくなるだけではありません。升の中で酸素が燃えつき、ともしび自体が消えてしまいます。さらには不完全燃焼を起こして、一酸化炭素という毒が発生するかもしれません。われら世の光として召された者がその光を隠すことに、いいことなどひとつもありません。同様に、世の中にとって毒にも薬にもならない、塩気をなくした塩は、何の役に立たないから道の肥やしにでもするしかありません。私たちがそうならないように、イエスさまの召命に従順になって生きるには、とりなして祈ること、これが必須です。