牧会コラム219「信仰者の燃え尽き3」

　ヘブル人への手紙１０章２５節は語ります。「ある人たちの習慣に倣って自分たちの集まりをやめたりせず、むしろ励まし合いましょう。その日が近づいていることが分かっているのですから、ますます励もうではありませんか。」当時、ヘブル人のクリスチャンたちが置かれていた環境は、決して平坦とはいえず、すぐにでもイエスさまが再臨されてすべてを終わらせられることを待望する、または、そのことを間近に感じるほど、切迫していました。

　このようなとき、クリスチャンの前には２つの選択肢が置かれています。ひとつは、迫害を逃れて集まるのをやめること。これは、数年前までのしばらく間、世界で猛威を振るったコロナのことを思い出していただければお分かりと思います。当時、いつ終わるとも知らぬ伝染病におびえながら、しかしその伝染病の（マスコミを通じて伝えられていた）性質上、集まることもままならなかった、集まっていることが周囲に知られたら自分たちがどんな評価をされるかわかったものではない、という、途方もない不安を抱えつつ、しかし、そこから解放されるべく集まって励まし合うことをしないわけです。

　もうひとつが、迫害のときだからこそ集まって励まし合う、ということです。コロナ下という事態は、もし集まっていることがわかったら周囲の制裁に晒されかねないという点で、一種の迫害です。また、コロナ（COVID-19）はやがて来たる重篤な伝染病に比べたら、相撲でいえば「幕下」クラスでしかないという報道すらなされ、人々はいやでも、世の終わりを意識しました。その「世の終わり」は私たちクリスチャンにとってはとりもなおさず、「その日」、すなわちイエスさまの再臨を意味します。それを前にしているからこそ、クリスチャンはすべからく集まって励まし合うべきである、というわけです。

　それを思うと、コロナ下に突入したばかりの頃、当教会が引きつづき集まるという決断を下せたことは、群れを燃え尽きから守っていただくことにおいて、これ以上ないよい対策だったと、今にして思います。その決断を支持してくださったみなさまに、今なお心から感謝いたします。