牧会コラム209「聖書に学ぶ結婚その3」

夫婦に関するみことばです。「互いに相手を拒んではいけません。ただし、祈りに専心するために合意の上でしばらく離れていて、再び一緒になるというのならかまいません。これは、あなたがたの自制力の無さに乗じて、サタンがあなたがたを誘惑しないようにするためです。」（Ⅰコリ7：5）

　神さまは夫婦というものを、つねにともにいるべき存在として結び合わせてくださいました。しかし、そのような一心同体の存在も、それぞれが神さまとの交わりを優先すべき時というものがあります。その、連れ合いに臨む神の時は、普段から夫婦が主にあるコミュニケーションを緊密に取ることによってお互い知ることができるはずです。

　そのようなとき、連れ合いは相手を祈りの場に送り出す勇気と決断が必要ですし、その間、連れ合いが主との交わりを深め、主のお導きを確実に受けられるように、祈ってあげる必要があります。その勇気と決断、祈りを実践するためにも、それぞれが個人的に普段から主との交わりを保ち、主からの平安と確信を味わっている必要があります。

　こうして、夫婦それぞれは離れることになるわけですが、忘れてはならないのは、その目的が「祈りに専心するため」ということです。さもなくば、「あなたがたの自制力の無さに乗じて、サタンがあなたがたを誘惑」する、その誘惑に身を委ねることにもなりかねないわけです。離れていることをよもや「鬼の居ぬまの洗濯」とは思わないでしょうが、連れ合いの目の届かないところで、主との交わりをおろそかにし、「小人閑居して不善をなす」となるようでは、何のためにわざわざ離れて過ごしているのか、意味がなくなることになります。

　忘れてはなりません。基本は「夫婦がともにいる」ことです。それが、夫婦それぞれで別々に離れて祈らなければならないとは、よほどのことです。その、よほどのことも、本来ならばひとりで立ち向かうべきことではありません（伝道者の書4：9～12）。それでも、やむを得ず夫婦が離れて祈る場合は、一人きりにならず、だれか信頼できる祈りの友を同伴すべきと、私は考えます。